ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

三年めの田中夫婦


きさら堂さんへ
夜ごはんを食べに行く。
きさら堂さんでは今、
田中みすずさんの
「三年めの田中夫婦」という
展示をしている。
田中さんの作品の中では
タイトル通り
「三年めの田中夫婦」について
描かれている。
昨年は「二年めの田中夫婦」だったし、
来年はきっと「四年めの田中夫婦」だ。
きさら堂さんへ来る前に
けいぶん社さんで
川上弘美さんの「おめでとう」という
短編小説の朗読を
音楽の演奏や絵を書くのに
あわせてするというのを観ていて
その時に考えていたのは
千年とかそれくらい経った後の
世界のことだった。
それくらいの世界がどうなっているか
なんてわかるはずもないんだけれど
当然、自分はいなくて、
今いる誰もおそらくそこにはいなくて
そんな時間のことを少し考えてみて、
そんなことを考えた後に
「三年めの田中夫婦」を見ていると
千年とか経った後で見てみると
田中夫婦が奥さんの実家へ引っ越したこととか
そこで奥さんのご両親と一緒に暮らしていて
そこには人間でいうと100歳くらいになる
白い猫もいて
旦那さんと白い猫はすぐに仲良くなって
皆で食卓を囲んでいて、とか
そういうのが
とてもとても不思議な
時間であるのだろうなあと思った。
ごはんを食べて、お勘定をする時に
きさら堂の旦那さんと奥さんが
最近セブンイレブンでやっている
クジにとてもはまっていて
それであたった戦利品を
見せてくれたのだけれど、
そういうのもやっぱり
不思議な時間になるのだろうなあ。