ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

簡潔にして要を得ている。


初めて自転車で出勤してみた。どれくらいかかるかなあと思っていたら、まあ40〜50分って所か。電車で行くより10分くらいかかるかなあ。もおちっとさーと漕げたら、さーと着くことができると思う。



朝、三条河原町の交差点で信号が変わるのを待っていたら、手を振りながら通り過ぎて行く人がいた。自転車に乗って、すこしばかり疲れていたし、なにかその人の夏の日差しにあまりそぐわないような、さーとすり抜けていくような雰囲気に、ぼーとしながら眺めていて、すこし時間が経ったら、おー、あれはかつきさんじゃないか、と思った。かつきさんをお見かけするのは、久しぶりやったし、そのあまりにも、さー、という雰囲気に時間が経ってからおかしさが込み上げてきて、自転車に乗りながら、ふふふ、となった。



職場の駐輪所へ自転車を停めにいったら、警備員さんに「お、自転車、なんでまた、めずらしいねえ」と聞かれた。「いや、たまにはええかなあと思って」と答えたら、「ああ、たまにはねえ、あはは」と警備員さんは笑った。


自転車に乗っていくと、やはりすごく暑い。喉が渇いてしまったので、先日買ったええ感じの水筒に入れた水をエレベーターで飲んだ。自転車乗るとあれだな、喉が渇くから、水がおいしいと思えるのだなあ。


今日は職場の方の誕生日。昨日もそうで、2日連続での誕生日だった、たんじょうびまつりだ。いつもほんとにお世話になっているから、ハッピーバースデーバースデーだ。


職場からの帰り、警備員さんに「また、自転車で来たりするの」と聞かれた。「あ、ちょっとわかんないすけど、多分」と答えた。「あー、そうなんだ、あっはっは」と警備員さんは笑った。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
「そうじゃなくて声がとくべつなの」と彼女は言った。「まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような声なんです」「良い表現だ」と私は言った。良い表現だった。私はボブ・ディランに関する本を何冊か読んだがそれほど適切な表現に出会ったことは一度もない。簡潔にして要を得ている。