ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

クラムボン


中津川が
流れる側に
クラムボンという
喫茶店があって
珈琲豆の焙煎も
されていて
珈琲のいい香りが
漂ってくる。
近所の方から
遠方の方まで
珈琲豆を買いに来たり、
珈琲を飲みに来たり。
満席の為、
たまたま相席となった
お客さん同士が
やっぱりここに来ると
プリンセットを
頼んでしまうんですよねえ、
と話しているのが聞こえて
ほほう、と思い、
僕もプリンセットを注文。
店の本棚に
友部正人さんの
「耳をすます旅人」という
本があった。
友部さんは何度も盛岡に来て
クラムボンでライブをしているようで
本の中でクラムボンの店主である
高橋さんについて
書かれている箇所があった。
高橋さんは珈琲の達人だが
こちらから聞かない限り
珈琲についてあれこれ語るような
事はしない。
きっと音楽家が音楽を
演奏するのが好きなように
高橋さんは珈琲を淹れるのが
好きなんだ、と。
本のページをめくる手を
止めてみる。
珈琲のいい匂いがする。
高橋さんが
焙煎した珈琲豆を
選別して、袋に詰めている
音が聞こえる。