ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

たこ焼き

帰り道、
自転車を漕いでいたら
前方の空に
半分より少し大きい位の
月が浮かんでいて
その月はオレンジ色掛かっていた。
それを見ていると
これはもうあれだな、
たこ焼きを買ってかえらなくちゃだな、と思い
自転車をたこ焼き屋の前に停めて
一皿お願いした。
少し待っていると
たこ焼きが出来てきて、
お金を払って、
たこ焼き屋から出ると
ぽつりと頭に水滴が落ちてきて
なんじゃこりゃ、と思ったら
雨だった。
家まで持つだろうと思って
急ぎめに自転車を漕ぐ。
雨は徐々に激しくなっていく。
雨宿りをしようか、とも思ったけど、
これから家に帰るだけだし、
濡れて困ることもないなあと思って
悠然と雨に降られることにした。
そしたら道をブルドックを連れて歩く
淑女がいらっしゃって
その方も傘を差さず平気な顔して歩いていて
(もちろんブルドッグも)
なんだか仲間と出くわしたような
嬉しい気分になった。
家についたら
アパートの1階に住む
お母さんが外に出ていて
僕を見てびしょ濡れねえ、と言った。
びしょ濡れなんです、と答えて
家に帰った。
家に帰り、シャワーを浴びて、
タオルを外に干しに出る頃には
雨が止んでいた。
ざばっと降ったからか
風がひんやりとしていて
気持ちがよい。
そんな風にあたりながら
たこ焼きを食べた。