『海辺のカフカ』
ある場合には運命っていうのは、絶え間なく進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている。
雨と強風で
今朝、外に出ると
家の前の木々の枝が
ぼっきぼきと折れていて
道に枝がたくさん落ちていた。
《ノート100524》
夢をみる人・蝶・格子・目をつぶる
夢・燐粉・手首・暗闇
輪郭・誘う・夢の跡・くすぐったさ
職場の応接室に入った。
一緒にいた二人が
滅多に入ることのない応接室の備品を物色しながら
「辞める時、このふくろうの時計をもらおうと思ってるねん」
とか
「この飾ってある絵をもらおうと思ってるねん」
とか言い出したので、
僕も何かもらおうとおもってるねん宣言を
しておこうと思い、
ちょうどいい感じの電気スタンドがあったから
「じゃあ僕はこれをもらおうと思います」宣言をしたら、
その電気スタンドは2本ペアになっているから
2つとも貰わないと駄目だと言われた。
でも、2つも持って帰るのは重そうだから
なんとか1つだけというわけには
いかないか、と聞いてみたのだけど、
2つセットだと念を押されましたよ。
『到来』
ひさしぶりに店を訪れた彼女に、おばさんは変わりなく笑顔を見せ、どれほど時間が移り変わっても、ひとつくらい変らないものもあるよとオムライスを作ってくれた。揺れ動いている時間の端に立つ灯台のようなおばさんだ。