ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

数えきれないほどの木と数えきれないほどの鳥と数えきれないほどの雨ふり

この時期になると思い出す遠くの友人がいて、ほんとに年に一度位しか連絡を取り合わないのだが、元気にしているようで何よりだ。こちらでは祇園祭で祭囃子が聞こえてくるのだけど、向こうでも、小さな夏祭りがあるそうで太鼓の音がここのところ聞こえてくるらしい。それはそれでなかなかよさそうだ。


夕方に窓から外を見ていたら、救急車がきていて、通りで誰かが倒れられたみたいだ。一緒に見ていた職場の方が「暑いからなあ、でも、熱射病ではないな、日がさしてへんから、熱中症とかそんなんやろうなあ」と言った。ああ、たしかに、曇っているから日は差していない。それから、その職場の方は屋台のベビーカステラを買いに行くと言って出掛けていった。ベビーカステラの屋台は職場の窓から見えるから、どこにいるかわかるかなあ、と窓から見てみたけど、人がたくさんでわからなかった。しばらくして、ゴロゴロと雷が鳴り、雨が降り出した。


帰りにミスタードーナツに寄った。『ひそりと、あなたに会う日』のことについて色々と考えてみた。ミスタードーナツに少し長居しようとするのであれば、飲物はホットの珈琲かカフェオレにするべきだ。お替りを入れてくれるし、冷房が効いているので、長居をしていると体が冷えてくる。店内に入った時の喉の渇きに流されちゃいけない。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
たぶん世界が数えきれないほどの木と数えきれないほどの鳥と数えきれないほどの雨ふりに充ちているからよ。それなのに私にはたった一本のくすの木とたったひとつの雨ふりさえ理解することができないような気がしたの。永遠にね。