ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

バルサン


引越し先の
大家さんに
鍵を頂いて
家に入る。
畳には
色落ちしないように
新聞紙を
ひいて頂いている。
何もない部屋。
今後、ここで生活を
していくんだなあ、と
今ひとつ実感の湧かぬまま
思う。
新聞紙を取って
バルサンを炊く。
2階建てなので
2回炊く。
2バルサン。
こうこうと煙をあげる
バルサンに背を向け
玄関の扉を閉める。
夜に
父親とゆかさんが来て
車で荷物を
運ぶのを手伝ってくれた。
家の前の道は
思った以上に狭くて
車が入れない。
なので
近くの路地に停めてもらい
そこから積んでた荷物を運んだ。
玄関の扉を開けると
役割を終えたバルサンが
ひっそりと佇んでいた。