ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

珈琲

雨が降ったり止んだり
していた一日。
きさら堂に行ったら
奥さんが
しあんくれーるに
よく行っていた
という話を聞かせてくれた。
でもよく行ってたと言ったって
細かい所とかは記憶が曖昧で
そういうのって
忘れてしまうもんやねえって、
今と違って
写真とかとっとくってことも
ないしねえって。
そういう話を僕は
きさら堂さんの木の椅子の背を持ちながら
立って聞いていて
店内では挽いてもらった
珈琲のいい匂いがしていて
ちょうどその時
レジでお支払をしようとしてはった
お客さんが
ああ、珈琲のええ匂いがしてるわ、
って言ったのだった。