コンロに火をつけて
牛乳をあたためる。
外から火の用心の
拍子木を鳴らす音が聞こえる。
拍子木と言うんですね、あれ。
あの「火のよーうじん」
と言ったあとでカンカンと鳴らすやつ。
なんて言うんだろうと思って
インターネットで調べたのです。
家の前の坂道を
拍子木を鳴らしながら
上っていく。
結構きつい坂道なので
しんどいだろうなあと思う。
いつも自転車から降りて
押しながらその坂を上っている。
最初の頃、いつかこの坂にも
慣れるのだろうなあと思っていて
まあそういえば慣れてきた気もするが
やはりしんどいはしんどい。
あたためていた
牛乳が沸騰してきた。
考え事をしていたりすると
沸騰させすぎて
ふかしてしまうことがある。
今日はよいタイミングで火を止めた。
そういえば今日は雪が降るって
ことだったけど
こちらは降らなかった。
拍子木の音が遠ざかっていく。