ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

“ぽい”

自転車に乗っていて、
夜は結構心地よい風が吹いていて
僕は「そうだ、あらいさんに会いたいなあ」と思った。
あらいさんは昨年、
僕が「なりゆきペガサス」の展示をしていた時に
観に来てくれて、
残念ながらお会いすることはできなかったけど、
プレゼントとメッセージを置いていってくれた。
プレゼントは“にわとりの置物”やって、
メッセージには「この置物、結構“ぽい”ですよね」
みたいなことが書いてあったのだ。
“ぽい”ってなにっぽいってことですか、って聞きたかったし、
お礼も言わなくちゃと思っていたから
会いに行こうと思っていたのやけど、
なんかすっかり行けないままになっていた。
なんで今日、急にまた会いに行こうとか思ったのかというと、
あらいさんに言われたことを僕が思い出したからであって、
「誰かに頼まれてやっているわけではないんやから、
泣き言を言うぐらいやったらやめたらいいんよ」
と、そんな話を確か聞かせてくれたのやった。
これは何について話していた時やったかなあ、
仕事?、いや表現とかそういうことやったかなあ、
とにかく全般についてのこととして話してくれたと思う。
僕はこのあらいさんの言葉を時折思い出すことがあって、
そうだ、あらいさんに会いにいかなくちゃなあと思うのやけど、
なんかこう、うやむやになってしまっていたのだ。
あらいさんの言うことはもっともやと思うし、
確かにその通りやと思うけど、それでも僕は時々、
やりたいことをやっているってのに、
泣き言をいいそうになってしまう。
これは全般的なことについて。
そんで、僕はひそかに思っているのやけど、
あらいさんもまた、
時々は泣き言とか言いたくもなっていたんじゃないかなあ。
わからないですが。そんなことないと怒られるかもしれませんが。
怒られるのはいやだから決してそんなこと口にはしませんが。
まあ、ともあれね、
公演が終ったら、あらいさんに会いに行って、
そんで、“ぽい”ってどういうことですか、と聞いてみよう。
そいでお礼を言わなくちゃなあなどと思っているのです。