ひそひそまつり

日々のことをひそひそと。

半分夢

京都は大文字の送り火の日。父親がテレビでその様子を観ていた。植村花菜さんが「トイレの神様」という曲を歌っていた。「この曲は随分と長い曲なんやなあ」と言ってた。「確か10分くらいある」と言ったら、「そりゃすごいなあ」と言っていた。


 陸軍第15師団についてのドキュメンタリーを観た。陸軍第15師団は京都府出身者を中心に編成され、祇園祭にちなんで、祭兵団と呼ばれていたそうだ。彼らは連合軍が物資輸送の拠点としていたインパールを攻略し、当時分が悪かった日本の戦局の活路を開こうとした「インパール作戦」に参加した。結果は、イギリス軍との圧倒的な武力の差になす術もなく敗れ、日本軍本部からも補給を絶たれてしまい、悲惨な状況へと陥ってしまう。彼らの身にどのような事が起こったのかという事を体験者の証言ももとに観ていくドキュメンタリーであった。
 画面越しにだけど、体験者の方々が話されているのを見ていて、それはその方に深く刻まれている記憶であるのだなと感じた。どれだけ時間が経っても、決して薄れていくことのないような、深く深くその方に刻まれる、そういった類の記憶。体験者の方の一人が、今でも戦場で亡くなった仲間の顔を思い出す、とおっしゃっていた。「寝ていても夢を見ている、半分夢、半分夢ではないような、そういうことが多いです」とおっしゃっていた。


今日は少し時間をかけて、お仏壇の前で手を合わせるとしよう。送り火の日やし、なんとなくそういう気分やしね。